大手調査・ブローカー企業であるバーンスタインの専門アナリストは、仮想通貨市場が単なるミームコインから実用性のあるトークンへと回帰する動きを見せると分析している。対象となる分野には、ゲーム、DeFi(分散型金融)、NFT(非代替性トークン)が含まれる。
さらに、彼らはビットコイン(Bitcoin)に関する興味深い予測も発表している。新たな親仮想通貨派のトランプ政権が戦略的なビットコイン準備金を推進することで、2025年末までにビットコイン価格は20万ドル(約3,000万円)を超える可能性があると見ている。現在、Bitcoinは88,700ドル(約1,330万円)で取引されている。
この流れはどこに向かい、市場全体にどのような影響を与えるのか。以下で詳しく解説する。
実用性のあるトークンへ移行する理由
この動きの背景には明確な理由がある。
以前のSEC(米国証券取引委員会)委員長ゲイリー・ゲンスラーのもとでは、実用的な仮想通貨やNFTプロジェクトに対する規制の不透明さが存在していた。そのため、市場は規制当局の監視を回避する目的で、実用性のないミームコインへと資金を流す傾向があった。
しかし、新たにSECの委員長となったポール・アトキンスのもとでは、仮想通貨規制が改善に向かう見込みだ。
すでに変化は見え始めている。たとえば、SECはCoinbase(コインベース)に対する訴訟を取り下げる方向に動いている。
バーンスタインのアナリストは、この変化によって市場の流動性が再び実用性のあるトークンへと向かうと考えている。では、現在注目すべき実用的な仮想通貨にはどのようなものがあるのか。
Solaxy(SOLX) – 実用性のあるトークンの筆頭候補
実用性のあるトークンといえば、ブロックチェーン全体の成長を加速させるものが理想的だ。その代表格がSolaxy(SOLX)である。
このプロジェクトの対象となるブロックチェーンはSolana(SOL)。Solanaはミームコインの急激な人気上昇によって新規投資家が急増し、その影響でネットワークの混雑や取引速度の低下が発生している。
SOLXはマルチチェーン対応のトークンで、Solanaの負荷を軽減する役割を果たす。具体的には、取引をバッチ処理し、Solanaのメインネットとは別の環境で実行することで、処理速度を向上させ、スケーラビリティを強化し、取引コストを削減する。
市場が低迷する中でもSolaxyのプレセールは好調を維持しており、これまでに2,300万ドル(約34億5,000万円)以上を調達。現在、1トークンは0.001646ドル(約0.25円)で販売されている。
Best Wallet Token(BEST) – 最高の仮想通貨ウォレットのネイティブトークン
最近のBybit(バイビット)のハッキング事件は、仮想通貨業界全体に衝撃を与えた。
これにより、仮想通貨取引所や仮想通貨ウォレットのプライバシーとセキュリティが改めて見直されることになった。そこで注目されているのがBest Wallet(ベストウォレット)である。
Best Walletは自己管理型(セルフカストディ)の仕組みを採用しており、利用者が自身の仮想通貨を完全に管理できる。取引所に預けるカストディアルウォレットとは異なり、資産を自分で保有できる点が大きな特徴だ。さらに、2要素認証(2FA)や多要素認証(MFA)、第三者保険を提供し、フィッシングやハッキング攻撃から資産を保護する。
Best WalletのネイティブトークンであるBest Wallet Token(BEST)は、アプリの成長と共に価値を高める可能性がある。また、BESTを保有することで、Best Wallet内での取引手数料の割引、ステーキング報酬の向上、優先的なプレセール参加権などの特典が得られる。
現在、1,000万ドル(約15億円)以上を調達済み。1トークンは0.024125ドル(約3.6円)で購入可能だ。
TRON(TRX) – デジタルコンテンツ共有の仲介排除を目指す
TRON(TRX)は、分散型アプリケーション(DApp)を開発するためのブロックチェーンである。
このプロジェクトは2017年にJustin Sun(ジャスティン・サン)によって立ち上げられ、デジタルコンテンツの制作者が自身のコンテンツを自由に発信し、収益化できる環境を構築することを目的としている。
TRONの最大の特徴は、従来のストリーミングプラットフォームを介さず、視聴者が直接コンテンツ制作者にTRXを使って支払える仕組みだ。
さらに、TRONは2018年にBitTorrent(ビットトレント)を買収し、高速なファイル共有機能を提供。BitTorrentは世界最大級のP2Pファイル共有システムであり、ユーザーにより良いダウンロード・アップロード環境を提供している。
TRXはここ数カ月間、大きな価格変動がないが、それは市場の過剰な期待に左右されず、安定した基盤を持つことを示している。過去1年間で67%以上の上昇を記録しており、0.24ドル(約36円)のレジスタンス突破が期待されている。
まとめ
今後数カ月間で注目すべき仮想通貨は、実用性のあるトークンへとシフトしていく傾向が強まると見られる。
ミームコインよりも相対的に安全性が高いとはいえ、仮想通貨市場のボラティリティを無視することはできない。そのため、投資を行う際には、余裕資金で慎重に進めることが重要だ。
本記事の内容は、最善の分析に基づく意見であり、投資アドバイスではない。最終的な判断は、各自のリサーチを踏まえた上で行うことを推奨する。
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